若い頃、係長だったじいさんは大手電機メーカー社長への定例報告会でハプニングに見舞われたというはなし。

事務方とはいえ、若い頃には外へ出ることもあったという。
そんな係長当時のエピソード。

係長の定例的な業務の一つに、大手電機メーカー社長に対して財務諸表をもっての報告会があったという。
おそらく、研究費用か運営費用あたりで、なにかしらの資金援助でも受けていたのだろう。(勝手な推測で埋めてみる)

世界にその名を轟かす大手メーカーのこと、空路に程近い立地の本社ビルは大層立派なものらしい。一階のフロアがすべて受付スペースに割かれて、受付のお嬢さん(受付嬢よね、それ。視点だけじいさんになってない?)に用件を伝えると、アポイントの状況をテキパキと内線で確認し、何機も並ぶエレベータのホールまで案内してくれる。
今は珍しくないが、当時(じいさんがまだ係長クラスだった頃)としては素晴らしい設備だったのかもしれない。

社長室のフロアに到着しエレベータのドアが開くと、2人の制服を着た“こぉ、こっ、こんな制服を着たアレ”(って言ってたな。身振りつきで。警備員ね。)が警備している。これを横目に社長秘書の誘導に従い歩を進める。

いよいよ社長への財務諸表の報告と質疑。
社長は細かなことは気にもとめないが、肝心な点については、眼光鋭く突っ込んで聞いてくるのだそう。

では、さぞかし緊張したことだろう、と聴いてみれば、実は係長の自分の他に、課長も同席しており質疑は課長が担当だという。(それ、居ただけじゃん。)

そんな業務を定例でやっていたわけだが、あるときハプニングが起こる。
課長がアポの時間に現れない・・・

社長との約束の時間は迫る。
課長は来ない。
(たぶんケータイもない。)

という状況に相当テンパったらしい。
様々考えた挙げ句、とにかく社長を待たせる訳にはいかないということで、意を決して独りで打ち合わせに挑んだのだそう。

この社長が某メーカー史上最も会社を成長させた人物だった、とは(もちろん)じいさんの談。
(ホントか? いい風にレジェンド化してない? まーいーけど。)

おつかれ。
若かりしじいさん。