消しゴム版画家/コラムニストのナンシー関さんの 798 ページ、全 5147 点(数えていないけどたぶんそう) におよぶ消しゴム版画 作品集『ナンシー関全ハンコ5147』。
ちょうど個人的に忙しかったり落ちてたりしてたこともあり残念ながらその開催に気がつかなかったんだけど、’08 年の 6 月に渋谷パルコで行われた(らしい)『ナンシー関 大ハンコ展』の内容を収録ということになるのかな?
以下の6章で構成される本書。
似顔絵
シリーズ
動物
人物
物・風景
ナンシー
当然、これまでに読んだ彼女の多数のコラム
の影響も大きく、ページで 008 ? 416 を占める「似顔絵」の章がやっぱりいちばん愉しい。
愉しいその1は、似顔絵が似ている云々というのはもちろんとして、切り取られたシーンや添えられたコメントがいちいち記憶中の人物像について的を射ていて愉快。おなじ視聴者として言い表すことが出来なかった部分をサラッとイラストと言葉にしていただけてる感じがして、胸がすく想い。これは痛快。
愉しいその2は、作品の点数の偏り。お茶の間でおなじみの芸能人たち(?)が五十音順でソートされているのだけど、ジャイアント馬場や勝新太郎、ビートたけし、タモリなどは一人当たりの作品が割と多い方。あと森繁久彌とかアントニオ猪木とか。
こういった作品点数が多い人タチに対する(彼女の)想いは格段なのかな、と勝手に空想したり。
そもそもの着眼が普遍的で、文が冴えてて、イラストも冴えてて、表現手段も「消しゴム版画」だって。淡々とした印象ではあるけど、カッコよくって恨めしいったら無い。このヒトって。