こんなにまでもエキサイティングな話題なのに、恥ずかしながらまるっきり知りませんでした。

なんでも。スイスのジュネーブにある一周27Kmの実験施設 LHC(Large Hadron Collider) で素粒子の衝突実験が行われると。この実験でヒッグス粒子を観測することが可能なんだそうです。それでもって物質と質量のナゾについての仮説が証明されるのだそうですよ。’08年 ノーベル物理学賞受賞の南部さんの理論「対称性の自発的破れ」が実際に証明されるという恰好になるんでしょうか。wikipedia に主な実験テーマが挙げられているので、興味ある方はどうぞ。

まーここまでは良いんですよ。ただですね、どうやらここから先が物議をかもしてる(た)らしいんです。


素粒子の衝突時には高エネルギーの素粒子反応によって、プチ・ブラックホールを発生する可能性が小さいながらゼロではないようなんですよね。で、そのブラックホールが地球を飲み込んでしまうんじゃないか、というファンタジーみたいな危惧が勃発していたのだそうです。

簡単に言い換えると、
・ブラックホールが発生する可能性は極小さい(ゼロではない)
・仮にブラックホールが生じたにせよ、そのエネルギー量の小ささから程なく減衰するので地球が飲み込まれてしまうことはない(でしょう)
ということらしいのです。が…

「ないでしょう」って。えっ? 予想っ?! ここにきてヨソー?!!

あえて、悪い方のシナリオを考えてみると、
地球全体が飲み込まれることはなくても「現在ジュネーブが消失し、依然ブラックホールはスイス地中で活発に成長を続けています」みたいな可能性はありえるってこと?
はたまた、「ブラックホールが地球を飲み込むのに必要なエネルギー量を計算し損ねました」という言い訳する間もなくポイポイカプセルみたいな感じで地球 BOMB! で終了ってことも ?
アワワ。男の人呼んでーっ。

といった具合で、一部の方々においてその安全性に関する論争や危惧、問題視が生じたらしく、上の扇情的なムービーなんかもUPされたわけですね。(結構よくできてる)

でも、まぁ、そこは「ヨソー」とは言え、キチンと理論に基づく「予想」ということで、CERN 公式のリリースが出されています。
The safety of the LHC
LHCの安全性について(The safety of the LHCの和訳)
端折って言うと、自然界で起こっている現象のほうがその頻度、サイズにおいても危険性が大きいということに基づき、今回の実験の安全性の確認がとれているということだそうですよ。

いったいどちらのリスク評価が正解かは別として、探求したいヒトがいて、疑うヒトがいて、安全性の確認が強化される。ぐるりひとまとめで良いことだと思います。

個人的には思わず、NARUTO 巻ノ44 ではいよいよサスケも兄イタチから燃やし尽くすまで消えることのない黒い炎「天照(あまてらす)」を譲り受けましたナ、ということに想いを馳せてしまうようなファンタジックな現実の話でした。

関連リンク
ナショナル・ジオグラフィック|ブラックホール生成? LHCに懸念
wikipedia|大型ハドロン衝突型加速器
the safety of the LHC