東京国立博物館で本日4/20から開催の「細川家の至宝」展を観てきました。
完全に通りがかりで、って感じだったんでナメてかかってたら、案外洋の東西を問わず濃く、盛りだくさんの内容で、意外にも長時間に渡って2部構成の展示を楽しんでしまいました。

第1部「武家の伝統」は、

甲冑とか、城内の図面とか、着物とか。なので第1部は、全体的に日本史に詳しいヒトは楽しめるのだろうと思います。ボクは知識不足でいまひとつ有難味は伝わらずでした。残念。
もちろん、整然と並ぶ展示品はたいそう貴重なものであろうと言うことくらいは伝わりますが。全体的にそんなテイタラク。
ただし、この第1部には茶器関係が幾つか含まれていまして、このあたりはニヤリとなりますね。ドスンと真っ黒なひしゃげた茶碗とか。ええ、もちろん『へうげもの』効果です。はい。千利休作は3点「瓢花入 銘 顔回」「顔回添状」「竹二重切花入」あたりが、数寄的な感じです。

第2部「美へのまなざし」の方は、さらに輪をかけてニヤニヤ。歴史とか無関係に(や、関係あるけどねきっと)楽しめます。
教科書か資料集なにかで見かける白隠慧鶴(はくいんえかく)の掛け軸が幾つか展示されていますが、これがまぁ愉しい。ふざけてるとしか思えない描きっぷり(ゼッタイわざととおもう)、それを有難がってる滑稽が、いろいろないまぜになって変なテンションになること請け合いです。
それから、刀剣関係は刃の美しさは勿論、サヤやツバなど装飾の方こそ目を見張る完成度があって、「牛図三所物」っていう刀剣の装飾品はそれはそれは繊細に造られていて、なんというか海洋堂ももっとずっと精進しないといけないくらいでして、安土桃山時代にしてかくも繊細な仕事っ、と恐れ入りました。時代はあまり関係ないね、繊細さも、センスも。とんがったヒトってのは昔っから居るもんなんですね、きっと。
あと第2部では、セザンヌやマティスやの洋画があったり、彫像があったり、巨大な襖があったりと盛りだくさんでしたよ。

というわけで、なんの気なしで寄せてもらった展示会「細川家の至宝」がほんとに至宝でびっくりしました。あるとこにゃあるんですね…心の洗濯になりました。