アルボムッレ・スマナサーラさん著の「怒らないこと」を読みました。
近くの書店で平積みになってたし、ストレス耐性ほぼゼロ体質のボクにとってタイトルは興味を惹かれるものだったので買ってみました。家に帰ってよくよく見てみたら副題に「役立つ初期仏教法話1」とありました。著者肩書にも「スリランカ初期仏教長老」とありました。そういう顛末で、期せずして仏教法話に触れることにあいなりました。


内容も平易ですし、読みやすい文体だったので正味 3時間くらいでバババっと読み終えました。
普段ボクは基本的に啓発モノは避けます。数少ない経験からですが「(〜ということなのですから)正しいのです」とか「(〜のほうがあなたも)気持ちがいいはずです」とか「(いつもの帰り道が)普段とはちょっと違って見えていることでしょう」とか、なにやら論理的にどうかなって説得を延々とされる感じが苦手なんですよね。
文法的にはどうしても「あなたが 赫々 すれば、この世の全てが 然々 になる。だからアナタは頑張って変わる価値があるでしょ? さぁいますぐ実践しなさい」という構成でしょうから、仕方ないといえばそうなんですけどね。

と、これは前置きなので忘れてもらうとして、本書は興味深く読ませてもらいました。
そもそも「怒りとは」みたいなことって、普段、真正面から向きあって考える機会なんか無いじゃないですか。忙しくて(もしくは怠慢で)。だからその反動というか補完というかで、人生のうち3時間ほどを「怒りとはなにか」に向き合わせるには読書という手段はボクには必要でした。

かなり前半部分で、次のような記載があります。

私はよく「怒りたくないのに怒ってしまうのです」といった相談を受けるのです。答えは明白です。簡単で、完全な方法をお教えします。
それは「怒らないこと」です。

ァラララ、身も蓋もない。アレな本を買っちゃったもんだ…、とか思いましたし、「ここで怒ってしまったあなたは○○です」の伏線かとも思いましたが、別にそういうわけでもありません。
もうちょっと詳しい説明が後述になっていて、上記自体は真理といえば真理だなと無事納得にたどり着くことができましたから、大丈夫です。

普段、仕事や家事でカリカリして、イライラして、ガミガミして、オドオドしてるなら、3時間ほど怒りについて考える時間を作ってみてはいかがでしょうか?
ボクは、エゴを捨てて、謙虚な気持ちで、怒らないように生きていきます(あえての棒読み)。いや、ほんと、真面目に。怒ってるとあまりいいことないから、おおらかに生きますよっと。

それからもう一個。帰ってから気がついたこと。

怒りというものが最も「生」を強く表す感情だとしたら、生のあらゆる瞬間を苦としてとらえるブッダほど「怒らないこと」を知っている人はいないということになるのではないか。

って小飼弾さんが帯を書いていますよ。らしいか・らしくないかは良く判らないのですが、言いそーって意味ではおもしろかったです。

怒らないこと―役立つ初期仏教法話〈1〉 (サンガ新書)
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