三枝 匡さんの「V字回復の経営」を読みました。
たまたま縁あって書店にて手にしましたが、本来であれば食指の動かない小説仕立て。本来であれば食指の動かない「V字」回復。そんなわけで、10年前の出版物です。
どうかな?と思いつつ最初のページを開いてからは、一気呵成で読みきりました。面白かった。無論小説としてではなく会社や組織の経営の指南書として。いわゆる小説と違う点は、
とりわけ登場人物の行動都度の事情や理由がしっかりと描かれているということです。なのでストーリーとしては流れがちょくちょく遮られる構成になってますが、補って余りあるリアリティが備わってるので案外大丈夫。目次
プロローグ 不振事業をいかに蘇らせるか
第1章 見せかけの再建
第2章 組織のなかで何が起きているか
第3章 改革の糸口となるコンセプトを探す
第4章 組織全体を貫くストーリーをどう組み立てるか
第5章 熱き心で皆を巻き込む
第6章 愚直かつ執拗に実行する
エピローグ 事業変革の成功要因
あなたの会社でもこうした症状が見られませんか?
改革を成功へ導くための要諦50
卑近なところで、なんであの取引先の課長は官僚的なんだろう。なんであそこの部長は終始なんにも言わないで座ってるだけなんだろう。なんでうちの役員は根回しのことしか言わないのだろう。そういうふうな感じを持ったことがあるのなら、自分ごととして読めるはず。それから、その辺の背景は十二分に承知していて、そのうえでもうアホらしいから辞めようかな…、ってなってるキワに立っているひとにとっても面白いはず。それでもって、今現在諸課題について必死で取り組み中、考え中、手探り中、血みどろ中のひとにとっては不安解消の一助になるはず。
冒頭にも触れましたが、本書は 2001年発売の書籍なんですね。その後2006年に文庫化も。今(2010)読んでも内容は陳腐でないというか、10年前も今もさして状況は変わってないのかもしれないと感じられ、ゾッとしたりしますけど。