iPad で写真を楽しむことを思い立ちまして。
iPad は、持ち運んだりヒザの上でタイピングしたり立ち読みしたりするにはやや難があるデバイスですが、不思議と写真作品を眺めて時間を過ごすには丁度よい画面サイズではないかと思っています。妙に写真も映えます。iPhone だとチンマリしすぎてるし、デスクトップだと面倒くさいし。写真閲覧デバイスは iPad だぞと確信してます(いまのとこ、だけど)。方や、写真のストックが豊富でたくさんの未知の作品を眺め回すことができるウェブサービスと言えば flickr です。
という文脈から、河原の岩をひっくり返す勢いで iPad で写真を愛でる最適な App を探して、たどり着いたのが次の3つのAppです。
Explore Flickr、FlickStackr、Portfolio To Go for Flickr。このそれぞれのFlickr クライアントについて、その個人的使用感を下にダダッと列挙してゆきます。
Explore Flickr
Explore Flickr – Shiny Development
このアプリは無作為に写真を提案してくれます。上の画像の通りです。このたくさんのコマが、時間経過とともに数秒に1コマ写真が入れ替わるという割とノンビリとした演出になっていますから気長な人でないと待ちきれない可能性があります。気になるコマをタップすると、当該の写真が全画面表示へと切り替わります。切り替わった先の画面では写真データのローカル保存と、flickr サイトのブラウジングが可能です。
というコンセプトですから、エクスプローラ系の機能はスッパリと切り捨てられています。自アカウントの入力するあも備えていません。本当に無作為な写真提案アプリです。なんとも潔い。
FlickStackr
FlickStackr – iPont
こちらはアカウントを活用します。flickr の自アカウントでログインすると、flickr が備えている一通りの機能がだいたい使えます。使える機能には写真のアップロードまでを含みます。特筆はダウンロード機能。自分のフォトストリーム、セット、お気に入りなどを一括してダウンロードする事ができ、また、自分のアカウントに紐づくコンタクトの作品、登録グループの作品も同様に一括してダウンロードが可能です。加えて、「スタック」として登録した写真作品はインデックスされ、これまたスタックの一括ダウンロードが可能となります。flickr内での「お気に入り」とは別に「スタック」が管理できるというのは存外便利です。あんまり安易にfav をクリックするのも、ネットワーキング的には迷惑になる場合もありますからね。
エクスプローリングに優れる本アプリは、写真個別のEXIFやタグの情報も簡単に確認する事ができます。flickr サイトのwebブラウジングも可能となっています。これはいい。
Portfolio To Go for Flickr
Portfolio To Go for Flickr – Nick Kuh
その名の通り、基本的に自分アカウントに保管している写真群を iPad にダウンロードして持ち歩く、対クライアントでプレゼンするためのツール、というコンセプトになっています。ですから、自身のアカウントの写真は一式一括してダウンロードが可能です。また、flickr で登録してあるコンタクトの作品もダウンロードしてスムーズにスライドショーすることも可能です。この人は写真が巧いなぁと思って登録してあるコンタクトの写真を全点フリックで流し観るのは結構快適です。ダウンロード待ちをしないで良いというのはなかなか強力な魅力です。
また、mail、facebook、twitter などflickr 以外のソーシャルサービスへの送信機能が装備されてますから、他者と共有する場合にはもってこいです。
用途目的に応じて、評価は様々で良いだろうとおもいますが、ボクの場合は Explore Flickr はちょっと辛い。待ちきれない。 Explore Flickr のユッタリ感を心底楽しむには、全く何もしなくていい数日間とそれから座禅ほどの集中力が必要になりますから。というわけで、貧乏ヒマなしのボクが利用するのはもっぱらFlickrStackr か Photofolio To Go for Flickr です。落とすや観るやについては甲乙つけ難いですが、甲乙がはっきりと付く点がひとつ。FlickrStackr ではダウンロードの経過を、リストのダウンロード、サムネイルのダウンロード、それから写真のダウンロードと3段構えでプログレス・バーで可視化して表示してくれます。一方、Photofolio To Go for Flickr は残念ながら進捗度を可視化してくれません。ただクルクル廻るアイコンが表示され続けるのみ。この違いによって何が起こるかというと、ファイルサイズが割と大きくまたファイル件数も多い flickr 内ファイルのダウンロードを待っている時間の辛さに大きな差が出ます。どれほどかかるかも解らないダウンロードをただひたすらに待つ、クルクルを眺めつづけるというのは精神的に苦行といえます。
というわけで、主にせっかちであるという性質に起因して、いまのとろこボクのベストは FlickStackr なのです。
百花繚乱、玉石混淆のflickr クライアントで迷っている人の道標になれば幸いです。が、実のところそんなことは二の次で、ボクはただただ写真を観つづけるのです。はい。