去る 12/16 に待ち焦がれた大口径 50mm の単焦点レンズ、 SIGMA 50mm EX DG HSM がやってきてやっと最初の週末を迎えました。だからといって撮りまくるんだぜ、って感じでもなくいたってフツーに使い始めたってところです。
前にも書いたとおり、Webで見ることができるサンプルは、時間が許す範囲で見てはきていました。が、実際に自分で撮るとなると、それはそれでどんな写真が撮れるのかは未知数。また撮る行程での影響はどんなもんだろ?というのも未知数です。
というわけで、写真の印象や、撮る過程での感触を知ることを目的としてゆるい感じで、東京は築地界隈を散歩しながらスナップしてきましたよ。ボディは5D、レンズがSIGMA。
結果は良好なものでした。腰を抜かすような驚きはありませんが、違ったレンズ相応の新鮮さや発見はありました。
まず大きかったのは、色。ボクはこの手のことを説明するのに十分な語彙を備えていないのが悔やまれるのですが、抜けたような気持ちのいい色なんではないかと思います。シグマ製品と言えば DP2 だけしか知りませんので共通性を言うのもアレですが、シグマのレンズでは独特の色を持ってるんだなってことが、改めて感じさせられました。DP2のもつ色の鮮やかさがこのレンズでも感じられます。DP2 が作り出す素晴らしい映りの拠り所は(そんなわけないんだけど)フォビオンだとばかり思っていましたから、ハッ、DP2 はセンサーだけでなくレンズも素晴らしかったんだナ、と今回一眼用レンズの使用を通じて再確認させられたというのが正確な表現になります。この間買い増したボディの決断のときにも、5D に腹を決める直前まで SD15 が最有力の対抗馬であったボクにとって、これはすごく嬉しい誤算。
ただ色のりについては、デフォルトでやや薄口と感じられます。raw現像アプリで 1, 2 段ほど足して jpg 化したい印象です。
色に対してコントラストはというと、ボクには少々強めなのかなと感じられました。これはボディ側のMy設定でデフォルトから-1という措置でよいかな。
で、気になるボケについては、自然なボケ。別の言い方をすると確りとかつ地味なボケかたをするなぁ、という印象を持ちました。まだボケ主役で撮っていないので、これは研究の余地ありってところです。
フォーカス速度は、予想していたのよりはほんの少しユッタリとしています。もともとそんなに速度を求めていないのでボクにとっては十分な速度です。ただし、フォーカス速度については物凄くこだわる属性のヒトが多い気がしますから、たぶんそういう人たちを満足させるレベルではないだろうと補足しておきます。
またフォーカスの精度についても、ボクは満足を得ています。撮るスタイルが、センター 1点でガッチリ捕まえてからフレーミングするような格好なのと、シビアーなピントは室内でしか求めない、それにどうしてもという時にはマニュアル・フォーカスで撮るというダサめなやり口なことから、多少の不備をものともせずに満足を得られているということだと思ってます。速度同様、フォーカス精度においても、9 点で思いのままに被写体を捉えることができるかどうかという尺度で推し量る属性のみなさまへは、ボクの言うことはあまり参考にならない情報かもしれません。
ただしひとつ。f1.4が深度浅く撮影することができてしまうがゆえ、ボクの胸中でもオートフォーカスへの期待と依存は間違いなく一段上がりました。正直言って、ファインダー越しの目視での判断にやや限界を覚えた、それくらい浅いです。視力、大切ですね。
色、ボケ、フォーカスときて、残すはレンズの外寸。これはやはり超軽量の EF50/1.8 とは一周りも、二周りも、三周りも違ってて、取り回しに注意が必要。外へ持ち出した初日に少なくとも 2 回ぶつけました。壁と、エレベータのドアと。カメラ斜め掛け時の出入口では、要注意です。そして、レンズの重量。こちらは思ってたほどには苦じゃありません。別のレンズになりますがズームレンズや EF100mm 付けて丸一日というのはよくあることだし、それにファインダー越しに許される視野角でいっても、レンズの明るさでいっても EF100mm の方がよほど肩が凝りますから。50mmは構えていても気楽でいられますので、重量は気になりません。むしろ 50mm だからこそ重さが気にならないといっても良いかと。
同じ長さとはいえ、使ったことのないレンズへのトライは、撮れる画が変わるのは勿論のこと(とはいえ、実はついこないだまでこのことについてすらやや懐疑的だったんですけどね。今は確信)、撮り方も変えるところがあります。撮り方が変わると、必然的に撮る対象も変わるのですね。このことが良い興奮材料です。いろいろな環境下での撮影はまだまだこれからとなりますから現時点ではなんとも評し難いですが、ボクとレンズとのお付き合いの滑り出しとしては、まずまずといえそうです。