語るべきことが僅かの本音しかないというのは、なんともいえず心細いものです。

ボクは明日会う人物へどうしても何れかの魅力を伝えなくてはいけない境遇にあります。それなのにボクの手元にはアルファベット3文字の略語が充てがわれるような立派なワークフローもないし、一目にして瞭然のセールスシートもない。もちろん必勝のスキームも。ただただ、きっとあなたには世に放つべき情報がたくさんある。だから、それを一緒に探し出して形を与えて、必要とする誰かに届けて、そのうち何割かにありがとうを言ってもらえるような価値に変えようようというようなお誘いしかできそうもないです。

じゃあそれによって誰が喜ぶのか。その喜びはどういう波紋として巷へ広がるのか。果たしてその波紋は巡り巡ってあなたへ資する何かとして跳ね返ってくるやこぬや。そんなことについてはまだ何もいえない。だってそりゃあまだ考えてやしないんだから。

それに正直なはなし、やってみなくちゃ解らない。事前の市場調査なんかじゃそれは測れないし、推測だってさえ怪しいもんで。事前の調査でできることといったらせいぜい初めの一歩を踏み出すときの恐怖心を慰撫することくらいなんだろ。調査と実地は違うんだから。予想と実際は違うんだから。やったことないことをやるんだから。

そんなこんなで、確たることはないんだけどとりあえず信じてくれよ、なんて不条理をいうのかしらん。

えも言われぬ心細さに弱りきって暗闇に何かを見つけるような手探りを続けつつも、そのもうかたっぽではいっそのこと真っ暗闇の中を開き直ってみたいワクワクもあったりする。だってボクが明日会う人が、ここに書いていることなんか言われるまでもなくよくよく承知である可能性だって、十二分にあるのだからね。


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