Mubz snap, carhartt

先の例とは正反対に。
配送商品の同梱カタログは有り難い場合が多いです。ここで何より大切なことは購買行動を通じてボクとアナタの興味関心が確認(共有)済みであるということなんだろうと感じられます。そもそも色々な商品を比較検討した結果、購入意思を固め、購入した商品です。そのラインの別の展開を提示されて嫌だということは無いでしょう。

ショップなりメーカーなりの来シーズンの商品、購入時に見落としていたけど明らかに買うべき素晴らしい商品の情報が確認できる可能性がありますし、それらが確認できるということは消費者であるボクにとって明瞭にプラスなことなわけです。というのも、たかだか消費者とはいえ、たかだかショッピングとはいえ、無限の選択肢から商品を選ぶのは結構難儀なことです。信頼できるメーカーか、商品品質は大丈夫か、ワラントはどうか、など製造や販売の信頼を確かめる行程を経て、さらにそこの商品群数百点から必要な物数点まで絞り込んだわけですから、なかなか大層な労力です。で、忙しく面倒くさがりの消費者心理としては、ここの製造/販売はよろしいなとひとたび感じたならば、できるだけ継続してそこから買いたいわけです。

で、最近の例ではもはや20年越しくらいでマインドシェアを高めつつあるカーハートのカタログが同梱で来て嬉しかった。レイアウトは読み取りやすいし、オンラインショップには載っていない商品情報が掲載されていたりします(それは漏れなく載せといてくれよとも思うんですけどね)。別の例では商品同梱ではないんだけど海外のデジタルカメラ関連商品のショップ B&H が半年か年に1回ほど分厚いカタログ誌を届けてくれます。これもかなりの数量の商品を眺め回すことができて非常に助かります。で、そこで良い商品見つけたら、オンラインショップで注文できちゃいますからね。話がはやい。
とはいえ、同梱ならいいのかというとそうでもなく。効き目が無かったケースで思い返せるのが、アマゾンでのビジネス書購入の同梱で入っていたアフリカの貧困児童を救う活動をしているNPOの寄付を募るチラシ。それはボクが薄情な人間だとか言うこととは関係なく、何故アマゾンが?何故ボクに?何故ビジネス書の注文で?と何故が連なりすぎるわけです。何故を考えると少なくともボクの側の注意と思考力が分散されますよね。分散されると行動には決して移らないです。必要なのはボクが違和感を感じない文脈づくり。意味的にのめり込むことができるストーリーなんではないかと思う。

というわけで、ピンときた何れの例も消耗品とか日用品というよりは趣向品なので、そちらのジャンルで特にカタログは有効な手だてなんだと感じられます。なので少なくとも趣向品についての情報を、一定量まとまった形で(可能であれば美しく)注文商品に同梱するのは消費者とのコンタクトに、イメージ向上にそして次回購入行動に効果的だと感じられるのです。反対に、文脈にギャップのある同梱広告は避けた方がいい気がします。

そういうわけで双方ハッピーな広告の形態がありそうだとはいいつつも無断で良いとは思えませんから、モラルとして初回購入時にでも「同梱チラシ同梱カタログの受取を希望しますか?」のパーミッションの付与機会(敷居)はきちんと設けておくべきです。


パーミッション・マーケティング