夏休みの昼過ぎには沢山の風が通り抜ける畳敷きの部屋で、直ぐ隣にある中学校の吹奏楽部員の下手くそな練習の音を聞きながら、寝るとも起きるともない昼寝で暇をつぶしていたボクが、どういう因果で、それなりの企業へ向けてブランドコミュニケーションの話を説きにいくのか。企業のブランドコミュニケーションと昼寝が同格なわけがないから、意味が分からない。

それに本当のこと言うと、昼寝の方がよっぽど豊かで幸せだと知っているというのに、どうしてあまり豊かでない方を優先して選択しなくちゃいけないんだろうと、不満がってる。

浅い眠りの時間を妨げたことに対して誰からも謝辞はないというのに、どうしたってそちらを選ばなくちゃならないんだから、この世界はボクのためにあるとは言いがたい。今のところ。


発達障害に気づかない大人たち (祥伝社新書 190)