理想としては、いついかなるときも Macbook Air(11-inch, Mid 2011)のデータ一式を外部HDDへバックアップしていたい。していたいんですけど、理想の状況までの道のりは少しばかり難儀があります。
なにせ Mac のバックアップ機能 TimeMachine というのは、初回のバックアップ時のデータ量が多いです。そのため、バックアップの準備にもなかなかの時間がかかりますし、それ以上に Wi-Fi 越しにやるバックアップファイルの送信にも甚だしく時間を要します。事を初回のバックアップに限って言うなら、ざっと一晩くらいの時間が必要になります。いくらなんでも、そんなものは遅すぎて付き合ってられません。
それでもノートPCのバックアップを採っておくというのは、いざとなったその瞬間以後、この上なく重要なことですから、なんとかして、この非常にもたつく Wi-Fi を介さないデータの送信方法を開拓しなければ…ということをここ暫く考えていました。で、何通りかある選択の中から今回、折角なので Thunderbolt を使おうと思い立った次第です。
2台の Mac を、MacbookAir と iMac とを Thunderbolt で繋ぐ。
そんなシンプルな行程においてすら実は途中色々と混乱があったんですけど、その色々は取り敢えず後の方へまわして、まず先に結果から述べると、Tunderbolt での通信はとにかく速いです。速くてすごく快適です。満足です。Tunderbolt のこの通信速度なら、例えデータサイズが 10Gb はおろか 100Gb であったとしても、度々バックアップをとっておこうという気になろうというものです。
さて。接続についての詳しいところは下に。
とりあえず Thunderbolt とは何かということなんですが、これは簡単。とっても速い有線通信の規格。通信速度 10Gbps を実現するテクノロジーです。速度イメージについては、下のように説明があります。
Thunderbolt I/Oテクノロジーは、双方向ともに10 Gbpsのスループットを持つ2つのチャネルを一つのコネクタに組み合わせています。Thunderboltがスピードだけでなく、柔軟性も抜群である理由です。周辺機器とのデータ転送速度はUSB 2.0の最大20倍、FireWire 800の最大12倍。
http://www.apple.com/jp/thunderbolt/
というわけで、USB より FireWire より何倍も速いのですから、Wi-Fi 越しの通信なんかはくらぶべくもない。全く比じゃないと言い切って、ただの1ピコメートルも差し支えがない、快適速度です。
先にも書いた通り TimeMachine の、それも特に初回のバックアップの時には「バックアップの準備」作業に結構時間を食うというのもあるけど、それよりなによりWi-Fi無線通信によるバックアップデータのサーバーへの送信がとにかく酷く時間がかかるんです。だって Macbook Air のバックアップデータはサイズが(環境にもよりますけど)10Gb もありますから。この Wi-Fi の遅さのせいで、TimeMachine なんか使いたくない、バックアップなんかしたくないという気持ちになってしまいます。でも、それじゃ安心は獲得できません。
するともう選択肢は1個しかありません。MacbookAir には、FireWire も Ethernet も備わってません。もちろん USB は備わってますがそれだと Mac-Mac 間の通信はできませんから、選べるのは唯一、Tunderbolt だけです。無論この場合には、バックアップデータの格納先たる先方の Mac も Thunderbolt 対応している必要があります。
さて2台のMacの繋ぎ方は、訳さえ解っていれば凄く簡単。
- まず2台のMacを1本のThunderboltケーブルで繋ぎます。
- 次にバックアップデータ保存先となる Mac(子) の方をターゲットディスクモードで起動(再起動)します。
- 最後にバックアップ元の Mac(親) のデスクトップなりファインダーにMac(子)のHDDアイコンが表示されていることを確認します。
ちなみにターゲットディスクモードで起動するには、キーボードの’T’を推しながら Mac を再起動するか、または [システム環境設定] の [起動ディスク] から「ターゲットディスクモード」ボタン押下でも可能です。
そんな按配で無事2台のMac が繋がったら、やることはただ一つ。Mac(親)のTimeMachine を起動し、[TimeMachine 環境設定] の [ディスクを選択] から ターゲットディスクモードで起動中のMac(子)のお好みのパーティションを指定してバックアップを実行するのみ。
ボクの場合は、約10Gbのデータが5秒かからず送信できてしまいました。理論値ほどでてはいないんだと思いますが、それでも、この速さにはただただ驚きです。
さて Tunderbolt のケーブル本体についてですが、触った感じあまりしなやかさはなく、固めのケーブルになってます。ですから、あんまり乱暴に扱うと断線しそうな予感がします。それから値段は単なる2mケーブル1本にしては大分お高めです。が、この高速通信の活用方法はもちろん Mac 機のバックアップの用途だけではなく、ファイルサイズの大きな各種のデータの転送に利用できます。それから Mac-Mac 間だけではなく、Mac-外部HDD間、Mac-27inchディスプレイ間を取りなしてもくれます。それぞれの目的、それぞれのシーンで速いという快適性を測れば、値段以上の見返りが得られると感じています。なにせ、10Gb のデータが理論値で1秒で送信できてしまうんですから。