ベアリング製品の不正な価格操作でメーカー4社へ警察による捜査が行われたそうです。
「ベアリング」カルテルで4社捜索 NHKニュース http://j.mp/Ita0IB
本件に関係があるのかないのかは定かじゃありませんが、実際、ベアリングの値段は結構高いんです。普通の流通を通して一消費者としてボクの手元に届く比較的まともな方のベアリングは 8 個セットで 4,5 千円ほどの価格になります。1個あたり 500円。はなはだ感覚的ですがこれはなかなかの金額です。キロ何円の BtoB 取引とは全く別次元の話ではありますけど。ボクごときにはちょっと手が出にくい高級品です。
で、基本的にメーカー企業の工夫や高付加価値化によって高値を維持して、それで高品位を保って、国際競争力を高めて、果ては独自の新製品を開発して…というシナリオは経済活動としては悪くない面も大いにあるでしょうけど、根源的な高値の維持につき工夫ではなく、テーブルの下で握手を選んでしまったところが問題なわけです。
すると、その時点で創意工夫とか競争に勝とかいうことよりも、床上手だから生き残る的な振る舞いですから、商品品質向上とか、高付加価値商品の開発とかそういう活力はそもそも望むべくもない状況なのかもなとか思います。また物が極端なまでの工業製品ですからいろいろと安全規格やら共通規格やも五月蠅くあるでしょうし、安易な新開発発想は困難なところもあるはず。
でもそういう境遇でもなお、競い合うなんて青臭いことがもしもバカらしくなってしまったなら、その先にあるのは何なんでしょうね。なにもなさそうだな。ただひたすらシコシコと従来製品を作り続けるしかないのかしら。いや、領域開拓があるか。
今回捜査にはいられた4社をチラリと見る限りでは、4 社とも共通して結構な数、国内に製造拠点を持ってしまっている様子もうかがえますから、この生産体制で海外勢と対等以上に戦っていくことにも腐心してたんじゃないだろうかとか余計なお世話的なことも過ぎります。
とかいってますが、別にこの先に脱カルテルの結論づけを持ってるわけでもなく、正直言ってボクは、たったの一漕ぎで10分間くらいスルスルスルスル回りつづけるスーパーハイクオリティなベアリングができるだけ安く買えたらそれだけで満足なんです。