DP2Merrill 5

結局買ってしまいました。DP2 Merrill。
まあ、もうこれは経緯的流れ的にどうしてもあらがえない。仕方がないです。

当初はサンプル写真を軸に選考にかかっていて、グッとくるサンプルに会えたら購入に踏み切ろうと思ってたのですが、あるいはグッとくるサンプルが上がってこないならば EF135mm f2 あたりに予算配分しようと計画を立てていたのですが、結論として DP2 Merrill を手にすることで決着しました。
決して安くは無い、どころかコンデジ市場の国内メーカー製品としては傑出して高価な製品で、少々拙速な決断かなとも思ったんですが、いくつ作例見てみても、手にして使って自らの体験を通して測ることをしないと、もうこりゃなにも解らんぞという風に思えてきました故。やむなし。それにどう見回したって、いま DP2 Merrill 以上に期待を寄せることができるコンデジ製品が市場に存在していないし予定もされていないのだから、今二の足を踏むのは案外と時間の浪費だな、とも。
それから今振り返ってみれば、初代の DP2 の尖りぷりにエキサイトしたし、写真の品質や製品本体やサポートに満足したっていう体験から得られたブランドへの信頼が、いまいちど尖った製品の購入を決意させるのに一役買ったところもあるのかも。

てなわけで、製品を実際に手にしてみたので、そのファーストインプレッションを下に。


DP2Merrill 3

初代DP2よりも一回り大きい。
一回り大きいと、持った印象はだいぶ変わります。カメラをカメラで喩えるのもナニですが、GRD か GXR か、くらいの違いはあると感じられます。本体サイズは賛否というか好き嫌い色々ある所だろうとおもいますが、ボクは小さい方が握りやすく好み。でもまあ大分長い期間初代 DP2に慣れ親しんできたから、そのせいなのかもしれません。

背面や上面のパネルは地味にだけど洗練された。
初代DP2 以降、s や x やそれぞれ進化をたどってきただろうと思われますがそこはすっとばしつつ。結構洗練されました。最初にDP2 を手にした時には(GRD2 と比べて)いいように言えば無骨、悪く言えば垢抜けないと感じたもんです。パネルの設計思想に関してその後大きな刷新は無いわけですが、ボタンの感触や配置、色と光の視覚効果は当時と比べると凄く進んだんだってここに来て実感。二世代跨いでの買い増しなので、当然か。

DP2Merrill 2

バッテリーが2個ついていた。
メーカーからの情報のとおり、バッテリーが2つ同梱されていました。この事実をシグマの愛嬌と採れるかどうかが何かしら愛着のリトマス試験紙という様相も無くも無いわけですが。さておき。本音を言えばバッテリーが保てばもつだけ嬉しいものですから、本当はなんとかクリアー出来れば良かったんでしょうね。個人的には100枚撮れる分にプラスしてカメラ設定をネチネチと弄り回す分とまでがバッテリー1本あたりの内訳として欲しかった。でもしかたない。かくなるうえは撮影時の液晶の点灯を極力減らすかなにか考えます。ファインダーかな。ひとまずは、液晶関係の表示時間をできるだけ短くするようにカメラ設定を変更して、1枚でも多く撮れるように画策します。

レンズプロテクターが装着できる。
メンテナンスがあまり行き届かない性格なので、これは心理的に結構大きいです。たとえば GXR のようにカメラユニット式でなく、本体とがっちり一体になったレンズなので大切にしたいですし、かといって後生大事に扱うなんてんじゃコンデジの優位性が削げちゃいますからプロテクターをつけてブンブン振り回す方向で。49mm 径のプロテクターを早速装着しました。

DP2Merrill 4

背面液晶は少し大きくなり、表示品質も良くなった。
古くから液晶がダメだみたいな言われ方をしてきたし、実際に高水準には無かったわけで、Merrill では確かに相当の改善が図られました。が、個人的には、ここはそんなに高いところ目指さなくて構わないんじゃないかなとおもってます。構図がとれて、ある程度の明暗と濃淡が読み取れたらだいたいオッケーであとは SPP 頼みということで。もしも、光学ファインダーのみの仕様があったなら、そしてそれが節電効果なり見込めるのであれば案外そっちでも面白いんじゃないか、とか。ただ今回惜しむらくは、水平標準器を備えたかった。

モード選択ジョグダイヤルが良い。
細かいことなんですが、S/A/Mの切り替えを結構多用すること、それから、各設定の数値をちょいちょい変える方なので、今回のこのモード選択ボタンの配置と、ジョグダイヤルの配置は凄く助かります。その代わりに 初代DP2 で同役割を担ってきていたところの背面パネル右上に位置した上下ボタン(ズームイン/アウトボタン)は廃止になってます。DP2 Merrill では廃止になってます。アレは使いづらかったですから、今回の進化は本当に嬉しい。

充電器のLEDがブルー。
カメラ本体でないところのクダリですが、充電器の仕様がちょっと混乱。空っぽのバッテリーを充電器に装着してコンセントに挿す。するとブルーランプが点灯します。これはもうたぶんそのまま受け取るしかないんですからそのように理解をしますが。一般的には残量不足は赤色点灯、満充電は青色点灯または消灯ってところですよね。混乱しないように注意しなくては、出先で残念な思いをしたくないですから。

フォーカスリングが、フォーカスリングが。
今回心揺らした大きなポイントの一つがやっぱりコレ。正直言って、ボクはあまり精密なフォーカスに興味を持っていないので多少のズレは構わないと言いますかむしろ面白いとすら思ってるクチなのですけども。でも、初代DP2 を使っていた人ならご存じの通り、フォーカス距離をマニュアルで操作しようとなった時のその操作の面倒くささったら無かったわけです。液晶に棒が表示されて、インジケーターをボタンでポチポチ移動させるという仕様でした。もう、面倒くさすぎて実用の目処が立たない程。さじを投げたい気分にさせられるし実際さじを投げました。それが、今回はあり得るに変わったわけです。なにせフォーカスリングだからね。
あともうひとつ。初代 DP2 について結構な頻度でフォーカスがダメだという指摘が上がってた過去経緯があったように記憶してるんですが、当時から個人的には全くそういう風には考えませんでした。上に書いたとおりボクはそこの精度に対してもとから甘い人間だってのもあるんですが、それを割り引いても、割とちゃんと合うときはちゃんと合います。そりゃ暗いところやコントラスト無いところでフォーカス出来たりするとステキですが、相当光学的な問題ですし、環境作りでカバーする割り切りは必要だろうという考え方です。加えて 初代DP2 はなにぶん 35mm 換算で 41mm とやや広めの設計ですから、さほどシビアーなフォーカスでなくても良い場合が多いということもあるとおもいます。で、仮に精度が甘いにしても、100mm レンズで精度が甘いというのと 45mm のそれとでは問題の重要度には雲泥の差がありますしね。

DP2Merrill 1

と、まだ開封間もない頃合いなので、表層的なことばかりなんで、恐縮なんですがざざっとそんな感じです。引きつづき、使用感なり作例なりを、随時追っかけで。


シグマ デジタルカメラ DP2 Merrill 4600万画素