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蒸気とか原子力とか風力とか火力とかそういうののメカニズムは、とどのつまり何らかの手法で直線運動を発生せしめその運動でもってタービンを動かせしめ、さらにタービンと連結するところの軸棒の回転運動へと力の方角向を変え、そして最終的に最も一般に普及するところの電気として各戸へと流通し、それではじめて値打ちを為すところでありまして。
これにくらべたら人間は大変厄介なものでして、持ち前の情熱を熱量のままにしておくという怠慢を働きながら、私には情熱がありますっ!という不可解なプライドの持ち主というのがいて度々困惑させられます。彼が言うところの情熱は、火力ならばともかく、計測する手段が無い以上は評しようも無いものと言わざるを得ないわけです。なにせ自己申告で持ってるものを持ってるというダケの話であって、百歩譲ってそれが事実であれど、で?それがドーした?という部分からはようやく一般性のある話題のステージに乗れる訳です。

オレには熱い想いがある!といわれてもそんなものはアータの胸にしまっておいてくださいよとなりますし、オレはもちまえの情熱で泥水をすすることも厭わないのにまったくお前等ときたら!とかそんなようなことを言われても、それは情熱という熱量を熱量のままに放置し、回転運動という知的生産へ転換する努力を怠ったこと悔いていただきたいわけです。熱量なんか自慢にゃならない。まして泥水を啜るなんてみすぼらしいことを他者へ推奨するなど以ての外、となります。

情熱というものの存在は認めるし、それは事を成す上でとても大切なものだとも認めるけど、情熱を熱量のままにして他者攻撃の武器として振りかざすのはもうね、野蛮人すぎて禁止です。そんな無粋なもんは個人の秘め事として封じ込めていて欲しいのです。そうではなく持ち前の情熱でどうやってタービンを回して軸棒の回転数を増やすかその方法と効率性をこそを練ってくださいな。そこが会話と競い合いのスタートラインです。力の伝達先を間違えないように、注意深く、ちょっとでも回転が増すよう研磨をかけて。

もう情熱を単なる熱量のまま他者向けに誇示してそれで事が前へ運ぶような、そんな簡単な仕事はもう既にあまり残されちゃいないんです。もっといえばです、アータは自信がないからこそ、その情熱の発する高温でもって自己演出することへと情熱を注いでいるようにみえますし、総量からすると微々たるものであるにせよ、その行いは大切な情熱の無駄遣い以外のなにでもありません。あ、いや、ちょっとした迷惑行為ではありますが。

情熱で、誰よりも速く、多く、軸棒を回転させて、誰より達成確度高い方法を編み出して、それでもって業務で成果を示せ。

しかしながら世は無常でして、そいった情熱中毒者が、自分ほどに直情的で無いという理由で、何名かの未来ある若人の首を切ったりすることも、事実あっちゃいます。残念なことです。南無三。


部下の本気に火をつける 情熱のリーダーシップ!