予告通り、本日 10/25、Kindle ストア がオープンを迎えました。前日のKindle 端末発表に、Paperwhite 欲しいと俄に沸き立ったわけですが、残念ながら肝心のストアが意外なほど魅力薄です。
大本が品揃え豊富な Amazon の事業だって解ってるからどうしてもその反動で Amazon のくせしやがって品薄! という、心象と現実のギャップに圧されてる感があります。これに加えて kindle の日本発表までだいぶ時間がかかりじらされたことも、期待値を膨らませすぎてしまう要因として働いた部分はあるのかなとか想います。
個人的に、今の生活環境は結構悪くなく徒歩圏内にいくつもある書店も度々利用していて、購入比率ではアマゾン5割、書店5割くらい。で、新刊の取り扱いを特に、Kindle ストアへ期待したかったのですが、なんだかストアを巡回してみると、以外と品揃えが手薄く肩すかしを食いました。仕方ないか、これからか、とは想いますが、現状は必要を満たせない印象。
構造的に似た例を引くと、Apple iTunes ミュージックストアの場合だと、取り扱い商品が音楽データであり、一般の人間にとって音楽はあまり必要にかられて購入するものでもなく、そりゃあ有るに越したことはないが、あってもなくてもどっちでもいいという程度のニーズなんだとおもいます。が、ものが本の場合はそうはいきません。今読むべき本はだいたい決まっているし、代えや誤魔化しは利きません。それそのものが無くちゃ困ります。デジタイズされてないならまだ読まなくていっか、とはなりませんからね。きっと別の手段で入手を考えるはず。なので印刷物を買い続けることが容易に想像されます。
で、考えを一歩進めてコンテンツの入手プロセスを Kindle を前提にしたところで夢想してみると、電子書籍で購入できるものは Kindle ストアで、まだデジタイズされていないコンテンツはアマゾンか書店で、ということになる。これは不可能じゃないプロセスですが、それってなんだか面倒そうな気がします。たとえば別のシーンでプロセスを切り出すと、書店で新刊と出会った場合。書店で読みたい本が見つかるごとに、毎度、一旦 kindle でタイトルを検索して、電子化されているかいないかを確認して、されてなければ目の前に平積みの本を買う、と。本を買うときはいついかなるときも、まず Kindle で検索してからでないといけない。箍を填められちゃう感じはちょっとめんどうくさい。もうすこし徒然にしてたい。
今なんとなく読みたいって気分を犠牲にしてまでデジタル書籍にこだわるわけじゃない。
というわけで、どっかに一線を引いて面倒くさくなく kindle とつきあうとすると、考え得る現実的な位置づけは、以前から読みたかった長編の本・コミックス、できればもう全巻出きってしまってるタイトルがデジタイズされたらそのタイミングで kindle でまとめ買いして読むという感じなのかもしれない。
じゃあその手合いの本を試しに! ってんで実際の kindle ストア内を巡回・検索しても、こちかめはまだ販売されてないみたいだし、巨人の星も、人間交差点も、美味しんぼも、ガラスの仮面も、横山光輝の三国志も、まして蒼天航路も、見当たらない。サザエさんも、コボちゃんも、あたしンちも、ポテン生活も、ない。ブラックジャックもないし、ブラックジャックによろしく もない。そもそも東野圭吾作品や司馬遼太郎作品や村上春樹作品や手塚治虫作品さえもラインナップしていないという寂しい状況。まあ読まないんだけど。
とはいえ、無い無いばかりいってても仕方ないので強いて有る方を言うと、池波正太郎や、夢枕獏や、養老孟司や、星新一のタイトルは、ちょっとある。テルマエ・ロマエや、へうげものや、宇宙兄弟、それにジョジョの奇妙な冒険にナルトにワンピースがある。そして島耕作は、案の定、ある。そんな模様。
そういう模様の背景事情になにがあるのかはよくわからないけど、少なくとも出版社や著作者との交渉・調整はとても難儀な仕事だと想うし、またデジタイズの仕事もそれなりに時間と労力が必要なんだと想う。この辺のゴツッとある仕事はポジションと資本力からいって Amazon にできないんだったら他の誰もできない気もする。なので商慣習や流通にちょっとバリエーションを出すためにも kindle には長期的に頑張って欲しいとかおもってます。がんばれ。