出口治明著「百年たっても後悔しない仕事のやり方」を読みました。
前の「直球勝負の会社」と同じ内容も多く含まれていますが、より働き手の視座によせた内容と表現になっています。仕事や働くことってどういうこと?という疑問に答えと言わずともせめてケーススタディが欲しい人にとっては、とても良い内容となっていると想います。
前「直球勝負〜」でも同様だったんですが、著者出口氏の気持ち良いまでの真っ直ぐさがとても心地よく、ああ僕(等)も素直に感じたままで良いんだなあと、力添えしてもらえるような読後の印象が得られるとおもいます。
考え方や理念哲学は重要ですが、それに拘り抜いたところで、仕事は一個も前に進みません。成果そのものが仕事の本懐ですし、また成果に向けたエグゼキューションこそが職業人のKPIです。ところがそれがなかなか実行できない。環境により実行させて貰えない。また場合によって、人によってはむしろ持ち前の理念哲学や考え深さ、常識、正義感にこそ邪魔されて実行を逡巡する事の方がより多いかも知れません。それに巡り合わせや運や人との相性もある。このほかに不得手だってある。と同時にそれらも込みでの実行力が仕事の値打ち、職業人の値打ちなわけなのですから、世の中は能くできてるし世の中は難しいものだと想います。
そいった面からいっても、著者はユニークな考えを持って、それを素直に発露して、実行を果たして、きちんと成果結果を示すことが叶った、ある種ヒロイックな存在だなあと想います。まあ努力、苦労、挫折ではなくて出来の部分だけを取り出して見て評してしまっているきらいはありますが。そこを勘案したとて、結果は変わりませんので、大変優れたことだと思います。
丁度今時分は4月です。新社会人の皆さんも是非読むといい。まあ、時分の会社の上司や先輩の皆が出口氏のように出来た人格ではないという事実に深い失望を覚えることもあるかもしれませんが、そういった問題についても本書内に言及されていますので心配なし。