Mubz Snap 銀座猫

普段、猫を撮影する理由は、都会暮らしのなかで奇跡的に横切る服従も忠誠もありゃしないネイチャーに心惹かれるからなんですが。今回のはね。もうね。珍しく、報じる気概で撮ってますよ。

銀座の看板の上に猫を乗せるなよ、と。

単なる娯楽なのか、商店街活性化なのか。この恒例となっているらしい小さな興行の真実と真意がどこにあるかは皆目知りませんけど、これ、辛いのよ、虐待にみえて。結構真面目に。猫はさ、個体差はあれど、本来的に身勝手な生き物なわけで(それがまた魅力なわけで)好きなときに好きな順路をぶらつきたいだろうし。腹だって減るだろうし。うたた寝するにしたって日の当たる暖かい場所かひんやりした場所かくらいは選びたいわけですし。ねぇ。

当事者の痛みはまったく切り分けた世界で、他人の家の火事を見物にいって盛り上がっちゃうのが人間の性みたいなとこもあるのだろうし、実際、キャッキャ笑顔で撮影に勤しむ通行者は少なくも無く、風景の捉え方は人それぞれ様々あるんだろうとは思う。し、それに、僕自身もことさら愛護団体的熱量のある人間ではない。のだけど。それでも一定の感受性と想像力と素朴を備えていれば、アレを目にしたら、少々気を揉むもんだよ。


猫なんかよんでもこない。