長谷部誠著「心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣」を読みました。Kindle 版。
はい。プロサッカー選手で、レッズでヴォルフスで日本代表チームの成員の、長谷部誠の著書であります。
キャプテン翼に夢中になり、放課後の校庭で友達集めてボールを蹴って、その数年後に J リーグ創設の頃多感な時期を迎えた年代なので、当時のあの馬鹿らしい過剰に商業的なノリに絶望を覚え、その後サッカーへの興味を喪失して今に至る。というわけで、本来サッカーという競技は好きであります。関係ないけど、まだ川崎市に住んでたころに、よみうりランド界隈でアルシンドを見かけたことがあります。そのときは背後からその後ろ姿を見かけただけだけど、それはもう紛れもなくアルシンドで確定。
そんなわけで、サッカー観戦から遠ざかり、世が騒げば騒ぐほど反比例してプレーヤーや監督やチームや世界のことにまったく無頓着に生きておったのですが、なんだか昨今巷ではワールドカップ出場が決まったとか、ブラジルに0-3だとか、本田の目がレーシックだとか、結局のところサッカーの話題で賑わっており、そういったな最中、本戦と関係ない隔絶した世界で何故か唐突に長谷部誠の本を読み始めるという、無軌道な感じで暮しています。
で、本の方の件なんですが、内容はとても良かったです。1984年うまれの、自分より一回り年下の、いうなれば入社後まだ間もない前途洋々な男子の背中から、いい歳のオッサンが物事の本質を教わる。そういうこともまたあるというものです。当たり前だけど。
日本代表に選出されたり、キャプテンを務めたり、無論試合で勝ったり負けたり、チームのメンバとの交流、監督との対話あり。というサッカープレーヤーを取り巻く環境は、一般の職場や専門職系のサラリーマンの像によく似た部分もありますし、一般のサラリーマン以上に、チームの結果があり、個人の結果があり、つねにファンの目とメディアの目が光り、常にリストラの危機がある分だけ、シビアーであったりするのだなというのがよくわかります。
そういった環境のなかで、結果を出しつづけるということの苦労は、頭脳と身体のトレーニングだけじゃ足らないのだなあ・・と。苦労と努力の矛先は殊、メンタル。殊更、メンタルで差がつくのであります。
ここでのメンタルというのは、試合に挑むメンタルないしプレー中メンタルだけじゃなくて、普段を、自分の時間をどう過ごすかというところのメンタルの管理について深く考えられていて、個としての生活空間でこの考えが実践されているというもの。もっと言えば考えの実行と管理を約20年間ほど継続しているということ。事がサッカーではなくても、そこまで目的の事柄に身を捧げれば、そりゃあそれなりの高みに到達するよね、と納得感あります。
方や・・・
やー、オレなんか、超整ってないなー。乱れ放題、乱れてるなーー。
本に描かれるエピソードや方法論は多岐にわたりますが、主題はタイトルの通り、心を整えることについての彼のとり組み、事柄の理解の仕方。割と克明に記されていますから、真似しようと思えば直ぐにできる仕様になっています。続くかどうかは別ですが、参考になります。いや参考にさせてください。