朝井リョウ「何者」です。
就職活動期にある数名の学生たちの心理、葛藤の描写にSNSを絡めた2015年の青春群像劇。とかいえばいいのか。
IT通信な時代性を背景に描かれる心の多面性に、「そんな時代なのですなあ」という小さな感嘆、小さな共感って感じです。
つまり、読後の感動に関して大きな期待はするなよ、ということでもあり。
ともあれ。作品には大きく２つの転調があります。主人公本人と（肝心の）SNSとに襷掛けとなる２つ目の転調が良い具合です。
あと、同じ目線でいてくれる人はもう云々、のくだりとかはストレートに結構いい。
